やりたいことができないとなれば"障害者"ということを感じさせられてしまうから、それを感じ

ないようにあらゆる手段や方法で必死にそれをつかもうとする。しかし、恋は相手の気持ちの問題

であるから、こればかりはどうにもならない。人を愛して、"障害者である私"を悲しく思うのがつ

らいし、それを恐れている私は、自分の中に壁をつくってしまっていることもわかっている。　　

いつだったか、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「まゆみちゃん、結婚しない方がいいかもよ。結婚したら、今ほどたくさんの素敵な男の人たちには大切

にしてもらえないよ。一人の人に決めるより、みんなのまゆみちゃんでいた方が幸せかもよ。」

と友人に言われたことがある。そうだなあ、それもそうかなあと思ったこともあるが、結局それぞれには

帰る家庭や恋人もいるのに、私は一人でいるというのもやっぱり寂しい。何かがあったら、私より守らな

くてはならない人がいるのだから…。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

恋愛に臆病だと言いながらも、女で生まれてきた以上、妻となり母親としての人生は歩みたいと思って

いる私はいる。"私の子供がいないのはもったいない"と思うもの。結局、私が私の壁を作っている今は、

その壁を崩せるだけの男性に巡り会えていないだけなのかもしれない。自分の中の壁は、自分自身が崩さ

なければどうにもならないのだから…と、もう一人の私が私に言っている。             

こんな私を丸ごと受け入れてくれるような人はいったいどこにいるのだろう？       

 そんな星の王子様、そろそろ現れてくれますように。                              

                                       〜リハビリテーション第四三八号　六ページより〜

リハビリテーション第四三八号

　定価　260円〈送料別20円〉
平成13年11月1日発行（毎月1回発行）

編集人　辻　　等 / 発行人　小坂　一郎

発行所　社会福祉法人　鉄道身障者協会
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